安保法案に反対する愛知大学人有志の会

写真 愛知大学の自由受難の鐘
自由を求めれば、必然的に苦難は避けることができない...
http://www.aichi-u.ac.jp/profile/history.html


愛知大学設立趣意書 (現代語訳)

わが日本は長期にわたる今回の戦争によって、物質的・精神的に荒廃させられ、特にその結果は惨憺たる敗戦を招き、まさに壊滅の危機に立つといっても過言ではない。
いま、このような壊滅を免れようとするならば、この事態を到来させた古き日本の誤った指導と積り積もった弊害を一掃し、新しい日本として更生する道を選ぶほかないのである。
実に新日本の進むべき方向は、旧来の軍国主義的、侵略主義的などの諸傾向を一度に投げ捨て、社会的存在の全範囲にわたって民主主義を実現し、自らを文化、道義、平和の新国家として再建することによって世界の一員として、世界文化と平和に貢献できるようなものとすることでなければならない。
...


安全保障関連法案に反対する緊急アピール

2015/07/22

アピール文

 安倍晋三政権は、各種調査において主権者たる国民の過半数が反対している「安全保障関連法案」を強引に成立させようとしています。法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくものです。憲法学者の大多数が指摘しているようにこの法案自体憲法に違反したものであり、私たちは廃案とすることを強く求めます。また、これら法案の出発点となった昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回も強く求めます。
 この「安全保障関連法案」が成立してしまえば、自衛隊の任務と武器使用が拡大し、自衛隊が海外で殺し殺される交戦状態に陥る可能性ばかりでなく、ひいては日本を戦争の当事国にしてしまう危険もあります。戦後70 年、日本が世界の人々から得てきた「戦争をしない国」という信頼を失うことになり、「国民の命と安全を守る」と言う言葉とは逆に、安倍首相はまさに「国民の命と安全を危険に陥れ」ようとしているのです。
「国際貢献」を言うならば、世界に類を見ない憲法第九条を掲げる我が国は、あくまで「武力行使によらない国際貢献」を目指すべきです。そして、その憲法第九条を世界共通の価値理念にすべく、最大限の努力をすることこそ、日本が進むべき道なのではないでしょうか。
 私たちは主権者たる国民として、また、戦前我が国がアジアを侵略した歴史への悔い改めから、「軍国主義的、侵略主義的等の諸傾向を一擲(いってき)」(「愛知大学設立趣意書」1946年)する平和主義を通して世界文化に貢献することを建学の精神の柱の一つにしている愛知大学に身を置く(あるいは身を置いた)者として、戦前に回帰するがごときこの「安全保障関連法案」を、断固として認めることはできません。

2015年7月22日
安全保障関連法案に反対する愛知大学人緊急集会

呼びかけ人

有澤健治  樫村愛子  鈴木規夫  田川光照  竹内晴夫  長峯信彦

アイウエオ順

他136名 (9月20日現在)

署名者および参加者から寄せられたメッセージ

(1) 日本を米軍の身勝手な戦争に巻き込む戦争法案に絶対反対です。

(2) 本日(7/14)、すでに当法案が強行に可決されてしまいました。まさに歴史に汚点を残すことになった悪名高き首相として安倍氏の名は残ることになるでしょう。今からでも廃案のために働き続けたいと思います。

(3) 私の立場は、絶対反対、ではなくて、よく議論してから決めようよ、ということです。手続き的には、まず憲法改正を議論して、そのなかで今後の日本の軍事的な位置づけを明確にし、そのあとで自衛隊の活動を決めていこうということです。

(4) 世界に誇る憲法9条の精神を無効にする安全保障関連法案の廃案を強く求めます。10本からなる法案の内容を明確に説明することなく、一括して法案を議決するという強引な国会審議のあり方は国会の軽視であり、国民を愚弄しています。

(5) ぜひ廃案にしてほしい。

(6) 日本は日本独自の立場を堅持するべきだ。

(7) 私の祖父は90歳になる。祖父世代から直接戦争体験を聴くことができる最後の世代が我々、孫世代だと思う。彼らの肉声は大いなる財産。我が祖父のためにも私は声をあげる。

(8) 民主主義を守(護)る学府の者として本アピールに賛同します。

(9) 一市民に過ぎない私でも、危機感はあります。何かしなくては、という思いから署名させていただきます。

(10) 社会福祉・社会保障を壊すのが、戦争です。今回の法案は第9条のみならず、憲法25条と13条の破壊にもつながるものです。絶対反対です。

(11) 魯迅、周作人の考え抜いたアジアの近代化の闇の深まりを覚えます。

(12) この憲法違反の法案を葬り去るまで頑張りましょう!

(13) 気をつけよう安倍の言葉と暗い道!

(14) 安全保障関連法案の強行採決に抗議の表明を致します。なんとしても、廃案にするまで、運動を拡げていくことが重要です。この安倍内閣の暴走を許してはなりません。

(15) 日本が戦争に加担する今の安保法案にだまっていていいのか。知を愛し、自由を愛する愛大人はだまってはいられない。

(16) この流れはなんとか止めねばと強く感じています。

(17) 安全保障関連法案の成立による憲法破壊及び平和的生存権の侵害に反対します。

(18) 愛知大学設立趣意書の精神に照らし、アピールに賛同いたします。

(19) ハンナ・アーレントは1964年にエルサレムのアイヒマンの人間像について「自分のしていることへの無自覚性」「想像力の欠如」「愚かさとは違う徹底した無思想性」を指摘しています。安保法案の強行可決を是認する現代日本人は、アイヒマン的な人間像に通底するものとして、批判し続けたいものです。

(20) 今授業で戦争について学んでいます。高校までそれといった戦争教育を受けてこなかった僕は、今になって戦争の恐ろしさ残酷さというものをちゃんと知りました。二度と同じような過ちを犯してはいけない。そう戦争経験者たちは口を揃えて言っています。その人達の意見を踏まえた上で、僕は戦争に断固反対です。

(21) 集団的自衛権」は「集団的交戦権」の別名であり、隠れ蓑にすぎません。安保関連法案は、その手続きにおいても、内容においても、明白に憲法違反であり、断固反対します。

(22) 自公政権の民意に反する、憲法違反の戦争法案強行採決に反対します!!!

(23) この法案はなんの抑止力にもならず、むしろ戦争やテロに巻き込まれるリスクを確実に高めます。廃案にすべきです。今大学に求められている「グローバルな人材育成」とは、武力ではなく、対話によって、知の力によって、共生、恊働の道を見出すことのできる人材育成ではないのでしょうか?この法案はその道を阻み、人々を分断します。なんとしても、廃案にすべきです。

(24) 正直、憲法のけの字も分からないような若ぞうで、この場にくるべきではなかったのかもしれませんが安保法制がいかに、してはならないことかということが分かったので、とても僕にとってプラスになりました。

(25) 武器を持つことが平和につながつとは考えられない。攻められない国づくりをすることが重要だと考える。

(26) 中国人は戦争大きらいだから、ご安心ください。日本国を戦争国家にしないでください。

(27)「緊急事態」の定義が曖昧。「安倍当選」がおかしい。「戦争歴史」の教育不足。

(28) 安保法案は明らかに違憲であり、民主主義を破壊する行為に断固抗議、反対をします。政治的、思想的な立場を超えて声明を出し続けているあらゆる団体の行動が何よりもの証明です。知性と教養もなく、初めから論理破綻、矛盾だらけの同法案の廃案を希求します。

(29) この「戦争法案」が通れば、必ず徴兵制が導入されます。再び国民を戦争に巻き込むことになる同法案に断固反対します。

(30) 憲法が踏みにじられているのは我慢ならない。

(31) 学問の自由は如何なる理由に依ろうとも、あらゆる戦争を放棄する事で保障される。大学は今こそ、「理性の砦」になろう。

(32) 全ての愛大人よ、今こそ自由受難の鐘を打ち鳴らし、戦争法案と立憲主義の危機に立ち向かおう!

(33) 愛知大学の「建学の精神」は、平和憲法の精神でもあります。人口3600人の小さな町の議員ですが、「自由と受難の鐘」を忘れることなく頑張っていきたいと思います。

(34) 気がつけば 風上立たさる あの日哉

(35) 息子から愛知大学も賛同署名をあると教えられ、83歳と老齢の身ながら賛同させていただきました。

(36) 遅ればせですが安全保障関連法案に反対する緊急アピールに賛意を表明いたします。愛知大学卒業後、科目聴講生として2000年に愛知大学?U部の憲法学の講義で近代立憲主義について学びました。その時の講義ノートにある「近代立憲主義は権力の国家への集中を前提とした上での権力制限の試み」との先生の言葉を実感しております。今、私は安保法案によって日本国憲法の戦争放棄の原理がこわされることに反対し、主権者としての振る舞いをしなければと思っております。

(37) 今、安倍政権が強行成立させようとしている安全保障関連法案は、愛知大学の建学の精神を真っ向から否定するものです。絶対に認められません。

(38) 頑張りましょう。

(39) 1971年の卒業です。酒井吉栄と清宮四郎の憲法学を再読しました。鈴木安蔵と影山日出弥に関するリポートを作成し、自らの勉強と友人らに読んでもらっています。現在は、知多半島九条の会の連絡会ニュースを担当しています。杉浦明平にあやかり晴耕雨読をやりつつ、とんでもない安倍政権の退場を願うこの頃です。

(40) 危機感を持って安保法案に反対します。

(41) 戦争法案には断固反対します。

参加者のメッセージ

勇気を出して 岡田忠昭(愛知詩人会議「沃野」編集長)

(一)

 ボクがアンベ君はこわいと言ったのを聞いて、アンベ君が今度なぐってやると言ってるらしい。帰り道になぐりにきたら、ボクはにげる。だってこわいから。
 クジョウ君たちはアンベ君とことばでたたかうと言っている。ボクも応援している。だけどボクはキツイことばを聞くと心がキュッとちぢむ。だから言い合いになっても何も言えない。
 アンベ君は近ごろ、やさしく、うつくしく、あたたかいことばを平気でキツイ意味につかう。そのことがはっきりわかったから、アンベ君のことばを聞くたびに、心がキュッ、キュッとなって、苦しくてたまらない。だからアンベ君がこわいんだ。
 クジョウ君に相談すると、そういう子はたくさんいるよとはげましてくれた。
 だから勇気を出して、アンベ君もうやめなさいというしょめいぼに名前を書こう思う。学年、クラスにしゅっせき番号も書いて。

(二)

 まともな大人たちはいつもぼくらに、ケンカはするなと言っている。ぼくもケンカはこわいからいやだ。でも、アンベくんのこぶんのような一人は、そんなのカンケーネーと言った。もう一人の子は、ケンカしたくないと言うやつはジコチュウだと言った。
 アンベ君がケンカ好きなのはみんな知ってるよ。だけど人に聞かれると、ぜったいにケンカはしないと言うんだ。アンベ君はウソをついているとボクは思う。
 クジョウ君にそう言ったら、悪い大人はホンネとタテマエを使い分ける。アンベ君はそれをまねしてると言うんだ。でもそれはウソツキということだ。

 ほかの学校のすごくこわい人たちといっしょにケンカするという、アンベ君の計画書が見つかった。読んでみると、とってもこわいことが書いてあって、ボクの心はキュッ、キュッとちぢんでしまった。
 アンベ君は平気な顔でウソをつく。大ウソツキだとはっきりわかった。
 だから勇気を出して、こんどだれかに聞かれたら言おうと思う。うそつきのアンベ君はやめさせようと、小さい声でも、はっきりと。

(三)

 ボクは弱虫なのでないてしまった。
 大きくて強い子がしっかりとかたをくんで机を守り、その中でアンベ君が「これからはいくらケンカしてもいいことにする」ときめてしまった。その時、涙がポロッと出た。
 これからはみんな、アンベ君の言いなりにケンカをさせられるんだ。そう思ったらこわくてたまらない。
 クジョウ君にどうしたらいいって聞いた。そうしたら、みんなで力を合わせてアンベ君をやめさよう。そして、ケンカはしないとみんなできめるんだと言う。
 ボクは弱虫だからなにもできないと言うと、弱い子は弱い子のままで力になれる。弱い子も強い子も、すきな子もきらいな子も、みんなでいっしょに「ケンカはイヤだ。アンベ君やめろ。」と言えば、ぜったいにやめさせられると、たのしそうに言うんだ。
 だから勇気を出して、こんどみんなに話してみようと思う。ねえ、いっしょにアンベ君をやめさせようよと。

愛知詩人会議「沃野」六〇三(二〇一五年一二月)号より

匿名賛同者からの所感

http:603.pdf

これまでの活動

愛知大学設立趣意書

新日本の進むべき方向は旧来の軍国主義的、侵略主義的等の諸傾向を一擲(いってき)し、社会的存在の全領域に亘って自らを文化、道義、平和の新国家として再建することに依り世界の一員として、世界文化に貢献し得る如きものたらんとすることでなければならない。